2060年には労働人口が4割減。
シニア世代が人材不足を補う新たな一手に。
少子高齢化が進む中、日本の労働力人口は今後大幅に減少すると予測されています。女性や高齢者の労働参加が進まない“最も悲観的なシナリオ”の場合、2060年には現在より約4割も労働力人口が減少する予測も。
そのような状況の中、今から7年前に
「これからはシニアの労働力が求められるようになる」と、シニアに特化した派遣会社が名古屋市・金山に誕生しました。
その名も「株式会社シニア東海」。
今回は、同社を立ち上げた高江洲晋社長に、起業のきっかけを中心にお話を伺いました。
株式会社シニア東海
住所:名古屋市熱田区金山町1-5-2 クマダ77ビル6F
設立: 2011年4月
資本金:3,100万円
URL:http://www.senior-tokai.co.jp/
起業のきっかけは、
「株式会社高齢社」との出会いから
―はじめに、60歳以上のシニア世代に特化した人材派遣会社を立ち上げた理由を教えてください。
弊社を設立するきっかけは、シニア派遣の先駆者である「株式会社高齢社」の創業者、上田研二さんとの出会いにあります。私は技術系人材派遣に20年以上携わってきて、役員や関連会社の社長などを務めてきました。リーマン・ショック以降、仕事がしたいけど見つからないという人が周囲にたくさんいて、当時は新しい事業モデルを模索していました。そんな時、たまたま経済系ドキュメンタリーTV番組「カンブリア宮殿」で、上田さんが出演されているのを見て、「これだ」と思ったのです。
―偶然見たテレビ番組が起業のきっかけになったのですね。上田さんには直接会いに行かれたのですか?
テレビ番組を見てからすぐ上田さんに連絡を取り、直接お会いしました。「東海地区で(株)高齢社のビジネスモデルを立ち上げたい」という思いをお伝えしたところ、快く受け入れていただき、「株式会社シニア東海」が誕生したのです。「株式会社高齢社」は、東京ガスのOBを中心とする、ガス関係に特化した事業モデルでしたが、東海地区は自動車や工作機械など、製造業がメイン。ですから、現在はモノづくりに特化した派遣を行っています。
―派遣先の企業はどんな会社が多いのでしょうか?
中小企業が中心になります。大手企業の自動車開発などは若手が中心になるので、50代になってくるとなかなか受け入れが厳しいという状況があります。中小企業では、設計開発や部品加工、溶接仕上げなど、求められる職種は幅広いですね。取引社数は約70社で、実際に派遣されているメンバーは月120人ほどになります。
―とりあえず「登録だけしている」という方もいますか?
登録していて、実際に動ける人は300~350人ですね。中には「週2日だけ働きたい」とか、「自宅の近くで働きたい」といった要望もあるので、そういった方は受け入れ先の企業のニーズとマッチングするまで気長に待たれています。
―なるほど、仕事探しを急いでいないところが、シニア派遣ならではですね。登録する際の基準はありますか?
弊社の入社基準は、「60歳以上」であること。ちなみに現在スタッフの平均年齢は65歳になります。今、製造業はどこも忙しいですが、企業側が20~30代を採用したいと思ってもなかなか応募が来ない。では、即戦力となるシニアに経験を活かしてもらおうということになるので、ニーズも多いですね。
入社基準が60歳以上で、ちなみに現在活躍中の最高年齢は75歳とのこと。60歳はまだまだ「若手」ということですね。次回は、シニア派遣で働くメリットや、働き方などをご紹介していきます!