少子高齢化が進む中、シニア派遣に特化したビジネスモデルで成長を続ける「株式会社シニア東海」。前回は起業までのストーリーを中心に伺いましたが、今回はいよいよシニア派遣として働くメリットや多様な働き方についてご紹介します。

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シニア派遣は「ぼちぼち」派と「バリバリ」派が半々。

―定年後にシニア派遣として活躍するメリットは何ですか?

自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるところですね。基本的に定年された方が対象ですから、みなさん色々な希望をお持ちです。「趣味を生かして働きたい」「体調に応じて週3日くらいだけ」「月~水だけ働いてあとは連休で」という人もいれば、「定年後に色々趣味をやろうと思ったけど、家に居づらい」「奥さんから『まだ元気だから働いて』と言われた」などさまざまです。ずっと自営業をやってきて、国民年金だけでは生活できないから、元気なうちはフルで働きたい」という方もいます。

―「ぼちぼちマイペースに働きたい」というニーズと、「バリバリ働きたい」というニーズがあるのですね。

どのような働き方を希望するかについてアンケートを取っていますが、ニーズの割合はおよそ半々です。派遣法ではひとつの会社で3年間働くと、その会社で正社員になるか別の会社に移籍することになりますが、60歳以上の場合は3年ルールが適用されません。ですから、本人が健康で先方から必要とされるのであれば、3年でも5年でも長く働くことができるのも大きなメリットです。

―シニアの方が求めるニーズと企業が求めるニーズはどのように擦り合せるのでしょうか?

まずは仕事を始める前に、ご希望があれば工場見学で実際の仕事内容を見ていただきますし、試用期間を1週間~1ヵ月設けています。「実際働いてみたら自分の経験が活かせなかった」という場合もありますし、派遣先から「今回は合わなかったですね」と回答が来る場合もあり、マッチングのNGはすぐわかります。現在活躍している120人については、派遣先もご本人もすごく満足しているという状況です。

―シニア派遣の、企業からの評判はなかなか良いようですね。

そうですね。「他にこんな人材もいないか?」など、追加でのオーダーも結構あります。毎月200~250件くらいはオーダー待ちがある状況です。HPを見たという企業からの問い合わせもあります。

―現在、最高年齢は75歳の方だそうですが、どんな仕事をされているのでしょうか?

加工の仕事で、もう6年半ほど週3日だけ働いておられます。最初は実務で入社されたのですが、派遣先から「若手社員に加工技術を指導してもらえませんか?」と依頼されて、今では孫のような年齢の新卒社員の基礎技術研修などもされています。実務をやりながら若手の育成もできますよ、というのはシニア派遣の強みでもありますね。

―大前提は、手に職ですね。生かせる技術が特にない場合、モノづくり以外の派遣先はあるのでしょうか?

ガソリンスタンドなどのサービス業やビルの設備管理などの仕事はあります。また派遣先の企業から、「営業や経理ができる方はいませんか?」と聞かれることもありますし、営業サポート的な仕事をやっている方もいます。ただ、数は少ないですね。弊社では、現在のところ製造業に特化しているので、製造業以外の仕事を見つけるのはなかなか難しい面があります。本当は経験がなくてもできる仕事をご紹介したいのですが。

製造業で活かせる技術を持たない、我々調査員にはなかなか厳しい現実ですが、将来的にはさまざまな職種のシニア派遣を期待したいところです。次回は、シニア派遣で働く心構えや、気になる収入面についてご紹介します!