(前回のおさらい)
シベットコーヒーとは、ジャコウネコの糞から採れる、
希少価値の高いコーヒーのこと。
ナゴノ所長から、「大変高価なものだから、先に飲んでみてちょーよ」
という有難い言葉をもらった我々調査員。
さっそく、幻のコーヒーを味わってみることにしたのである。

素晴らしいアロマとともに排出されるという豆、
その香りとは?

さて、改めてシベットコーヒーについてご説明すると、
ジャコウネコは、最も熟した美味しいコーヒー豆だけを食べるという習性がある。
食べたコーヒー豆は体内で消化されず、酵素の働きや発酵によって
独特のアロマを放ちながら排出される。

この「排出される」という部分が、最大にして最高の問題点であるが、
実は、排出された豆は洗浄され、さらに外側の殻を外して生豆だけが取りだされる。
つまり、直に糞と触れているわけではないのである。(ヨカッタ!)

というわけで、コーヒー豆の独特のアロマとは、
如何なる香りなのか、さっそく開封してみることにした。

シベットコーヒー豆ミルに投入

見た目は、ごく普通の豆。

以下は、調査員の率直な感想である。

調査員K
高級な麦チョコ
調査員H
香ばしく、結構好きな香り
調査員Y
コーヒー豆というよりは焦げた豆
調査員M
コンクリートの粉の香り(!?)

評価にかなり差があるようだが、
これもシベットコーヒーの奥深さであり、魅力であるといえよう。

さて、次はコーヒー豆を挽く過程である。
事前調査によると、コーヒー豆は「中挽き」がよいとのことで
そのようにしたつもりであったが、ここで問題が発生した。
初めて使うコーヒーミルだったため要領がよく掴めず、
“めっちゃ粗挽き”になってしまったのである。

シベットコーヒー粗挽き豆

「ここまでの粗挽き、見たことない」との声多数。

というわけで、予定になかった“めっちゃ粗挽き”なコーヒーの感想をまずお届けする次第である。

シベットコーヒー粗挽きむらし

いちおう、淹れ方にもこだわってみた。

淹れ方は、事前に調べておいた“美味しいコーヒーの淹れ方”に従う。
およそ80~90度に冷ましたお湯を豆に少量注ぎ入れ、1分ほど待つ。
その後、数回にわけてお湯を注ぎ、最後は多めのお湯を一気に注いで、しばし待つ。

シベットコーヒー粗挽き完成

見た目も、ごく普通のコーヒー。

そして、ついにシベットコーヒー粗挽きバージョンが完成!
以下は香りと味に関する、調査員の率直な感想である。

調査員Y
なぜか…香りがない。そして、舌に味が残る。
調査員H
酸味も苦味もなくマイルドなのに、舌の上にずっと味が残る。
調査員M
初めて飲む変わった味。そして、いつまでも口の中に味が残る。
調査員K
これ以上同じことを言ってもしょうがないけど、
舌にずーーーっと味が残る。

高価で、希少で、素晴らしいアロマを放つシベットコーヒーが、
こんな香りで、こんな味のはずがない…。
これは言うまでもなく、粗挽きが原因だ…。
粗挽きというよりも、どんびき…。

口には出さずとも、皆同じ思いであったに違いない。
「…中挽き、いきましょうか」
かなり下がったテンションとともに、我々は中挽きの準備に取り掛かったのである。

次回「幻のコーヒー「シベットコーヒー」をさまざまな淹れ方で試したら、意外な結果に…編」へ続く