みなさんこんにちは。調査員Mです。
先日、60代の先輩とお茶をしたときのこと。
その先輩は、数か月前にご主人を亡くされたのですが
現在、「遺産相続で、ご主人の兄弟ともめている」のだそうです。

先輩にはお子さんがおらず、
亡くなった後の遺産はすべて自分のものだと思っていたそうなのですが、
なんと、ご主人の兄弟にも相続の権利があったのだとか。

「Mちゃん、『遺言書』ってめちゃめちゃ大事よ!」
帰り際、先輩に言われたひとことが、どうしても頭から離れず、
翌日、遺言書・相続手続きが専門の行政書士、
柳原勝利先生に『ぶっちゃけ取材』を申し込んだのでした。

柳原勝利先生プロフィール
愛知県小牧市で活躍中の行政書士。専門は遺言書・相続手続き。工業高卒業、前職は機械オペレーターという異色の経歴の持ち主。フレンドリーでどんな質問にもていねいに応えてくださる優しい先生です。
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夫の財産、全部自分のものしたいと思うのは、当然ですよね?

調査員M
柳原先生、こんにちは。私、行政書士の先生とお話しするのは初めてでして、若干緊張していますが、よろしくお願いします。

柳原先生
大丈夫ですよ!なんでも聞いてくださいね♪

調査員M
先日、ご主人を亡くされた友人がいるのですが、相続でもめていると聞いたんです。
その方は、お子さんがいないのですが、ご主人の兄弟が相続の権利を主張してきたとやらで・・・。夫の遺産は、妻のものじゃないんですか??

柳原先生なるほど。子どもがいない夫婦で、ご主人が亡くなられたんですね。ちなみに、遺言書はあったのですか?

調査員M
なかったみたいです。友人は『遺言書はめちゃめちゃ大事』と言ってましたけど、どういうことですか?

柳原先生たとえば、子どもがいない夫婦で、ご主人の父母は他界、兄弟は健在の場合でお話ししましょうか。遺言書がなかった場合、法定相続人は、奥様が「3/4」、亡くなったご主人の兄弟が「1/4」。つまり、奥様はご主人の兄弟と遺産分割をしなくてはいけないんです。

調査員M
はぁ・・・妻が100%じゃないってホントなんですね。兄弟といっても、数年に1回会う程度の関係らしいんですけど。

柳原先生残念ですが、いくら疎遠であっても、自分に相続の権利があるとわかったとたん、「欲」が出てくるのが人間です。これは金額の大小にかかわらず、どのご家庭にも起こりうるケースですね。

庶民の私にも、「遺言書」って大切なんですね!

調査員M
おおっ、なんか怖いです。でも、もらえるなら私も権利を主張しちゃうかも・・・。

柳原先生ですよね?たとえば、ご主人が残してくれた遺産が
■家+土地/2000万円
■預金/400万円
だったと仮定してみましょう。

調査員M
はい。「家+土地」と「預金」で合計2400万円。
このうち「1/4」がご主人の兄弟のものになるということですよね?

柳原先生
2400万円の「1/4」だと600万円ですが、ここで大きな問題が生じますよね?

調査員M
へ?どういうことですか?

柳原先生このケースの場合、おそらく奥様は引き続き、今の家に住むことを望みますよね?そうなると、ご主人の兄弟に現金600万円をわたす必要がありますが、預金の400万円では足りませんから、残りの200万円を借金するか、「家+土地」を売却する必要が出てきます。

調査員M
あっ!本当だ。

柳原先生預金や有価証券はそれほどお持ちでなくても、「家+土地」は持っているという方は、結構いらっしゃいます。遺産分割のために、愛着のある住まいを手放さなければならなくなる、住む場所を失う、そんなケースも少なくありませんよ。

調査員M
ブルブルっ。先生、怖いです。

柳原先生Mさん、だから『遺言書』が大事なんです。
このケースの場合、遺言書に「妻に全財産を相続する」と書いてさえいれば、兄弟に出番はなく、全財産が妻のものになりますからね。

調査員M
友人が「『遺言書』ってめちゃめちゃ大事よ!」って言っていたのは、このことだったのですね。「遺言書」なんて、庶民の私には関係ないと思っていましたが、目からウロコです!ところで先生、遺言書っていったいどうやって作成すれば・・・。

今回のまとめ・・・

◆夫の遺産。すべて妻のものになると思ったら大間違い!
◆遺言トラブルは、意外に身近だった。
◆「遺言書はどうやって作る?」その実態は次回へつづく

次回、
夫の財産を確実に自分のものにする方法②庶民が遺言書を作るには?編
もお楽しみに!